私たちの愛情は、なぜ他者を束縛するのか?
私たちと家族、また、友人、同僚、そして患者や利用者との関係の中で、愛情とは不可欠な要素です。
「誰かを助けたい」「役に立ちたい」という感情は、あなたのやさしさであり、同時に愛と呼びます。
このような考え方は世界共通です。人種や国籍、性別や性格を問わず、また、古代世界でも現代でも違いはありません。
つまり、人間がこの世界に現れた時から、人間はそう考えていました。
しかし、「愛」が、具体的な行動に移る時、どのような行動になるかは、その時代、国、文化によって、全く異なる現れ方をする。
例えば、西洋世界の愛の目的地が「解放」である一方、日本の愛の目的地は「結束」と言えるでしょう。
まるで、親鳥が幼鳥を親鳥の羽毛の中で包み込むような光景。日本特有の愛と言えるでしょう。
海外では、愛とは外側へ向かう行為である一方、日本や一部のアジアの国では内側へ向かう行為になってします。
「LOVE」という語が「愛」に翻訳された途端、その意味は全く逆方向への行為へ変わってしまうのです。
そして、この逆転現象は、人権ということを私たちが考える時、大きな壁となって目の前に立ちふさがってしまうのです。
なぜなら、人権思想とは、西洋思想だからです。
私たちは「愛」を世界共通だと考えてきたかも知れません。洋楽にもLOVEという歌詞は頻繁に現れ、それを聞いたり歌ったりすることがありますが、
実は全く逆の意味で、私たち日本人は解釈している。そのことに気付いている方はどれほどいるでしょうか?
この一種の誤訳は、私たちの人間関係に決定的な影響を与えます。それは当然ながら、人権が基盤となる、医療や介護、福祉の現場でも現れます。
国連は、日本の医療、介護、福祉における、愛の意味の逆転現象について、「パターナリズム」という語で批判し、改善を求めていることをご存じでしょうか?
本書では、日本における愛の意味の逆転現象がなぜ起きるのか?について、歴史や文化、宗教観というテーマでの西洋との比較で解明し、
私たち日本人の集団的無意識に潜む、パターナリズムの乗り越えを目指します。
繰り返しになりますが、このテーマは、単に医療や介護、福祉分野の仕事に従事する方のみならず、私たち日本人の人間関係全体、そのものへの問いかけであり、
家族、親子、友人、同僚、さらに赤の他人との関係の再構築を目指しています。
キーワードは「祖霊信仰」「氏」「家制度」。
このキーワードを、医療、介護、福祉へ展開し、さらに、現代日本社会が抱える様々な人権問題へ広げてゆきます。
夫婦別姓や女性差別、女系天皇や貧困問題。また結婚、親ガチャ、友達みたいな親子などの社会現象を取り上げます。
本書は、支援という言葉を、技術や学問という狭い視野で見るのではなく、
一人の人間の「生き方そのもの」という視点から、共に考える。そんな一冊です。
目次
- 前書きのような物語
- 第1部 あなたのその笑顔は誰のための笑顔ですか?
- 第2部 善意から生まれるパターナリズム
- 第3部 終わりの中のはじまり
- 終章1 自分らしさを選ぶ
- 終章2 たった一羽の蝶が、この地球の全重量を支えている。
- 後書き
- 資料集
- 続きの物語
購入
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